moonlanderを入手して1週間が経った
Realforceが壊れたとかではないのだが、他のキーボードを知らないまま死んでいくのかという気持ちに少しなったのと、分割キーボードは肩こりの対策に実際によいという話を聞いたので、Moonlanderを購入した。
そこそこ慣れてきてはいるのだが、配置を結構弄ったのでまだ(特に記号が)マッスルメモリになっていない。頭で(ここにマッピングしたから……)という変換が入るので、文章の打ち始めや記号の入力前に若干のラグがある。 ただ覚えられてはいるので、そのうち指が覚えるだろう。悲観するほどの状態ではない。
いくつか覚書をしておく。
入手まで
はじめはUHKを試してみようと思っていたのだが、「どうせチャレンジするのなら普通のキーボードを割ったやつよりもっと異常なものにチャレンジしたら?」と言われてそれもそうだと思いなおした。
なのでErgodox EZを買おうかなと思って調べると、同じ会社が別バージョンを出していることを知った。小さくて薄型のvoyagerというのもあったのだが、個人的には持ち運びの際にある程度大きくなっても大丈夫な点と、ロープロファイルなキーボードが若干苦手な点からmoonlanderを選んだ。 色は黒にした。PCをはじめデスクの上に黒いものが多いからだ。
軸は静音赤軸にした。タクタイルやクリッキーなのも嫌いじゃない、というか結構好きなのだが、音がうるさすぎると使える場面が限られてしまう可能性があるので静音赤にした。
はんだ付けは中高の頃に少しやっただけであまり慣れているとは言い難いので、自作には手を出さなかった。というかそっちの選択肢をあまりよく知らなかった。
注文してから届くまではかなり早かった。数日後にはShippedのメールが来て、そこから一週間は経っていない。空いている時期だったからかもしれないが、拍子抜けだった。もっと待つと思ってた。
ハマりポイント
これは自分が不注意だっただけなのだが、moonlanderのキーキャップは印字ありとなしの二種類あり、実はプロファイル1が異なる。私はプロファイルの差に気付いていなかった。
印字なし版はキーの入れ替えを考えなくてよいのでOEMになっているが、印字あり版は全て同じ形状、OEMのR3に揃えられている。これはQWERTY以外の配列、例えばdvorak配列とかを使いたい人が困らないようにするためだろう。なまじ傾きが付いていると並び替えたときにガタガタになるからだ。
私はずっとRealforceの形状に慣れていたので、平たいプロファイルで若干精度が落ちた。今は適当に買ったXVXプロファイルの安いやつで印字部分だけ入れ替えて使っている。周辺はもとのまま。それでも若干精度が上がった気がする。
どうせなら大きめの傾斜が付いていて欲しかったので、調べていてMDA Future Suzuri が欲しくなったのだが、終売しているし作者の方も手持ちは出してしまった上今後の再生産は難しそうだと仰っているので、今はもう入手不可能だろう。どうしたものかな。
一応、fkcapsのカスタムではMDAプロファイルのキーキャップが作れるので(MDAプロファイルにはmoonlanderの縦長1.5uはないけれど)、いっそ自分で発注するのもいいかもしれない。MDAではないフラットなキーキャップなら縦長1.5uもあるようだ。 yuzuの方にもあるが……Cherry profileなのか。
……いやこっち行くと沼だな? 落ち着こう。今のキーキャップもそこまで悪いわけではない。
入手初日
家には対人作業用のwindowsと個人で完結する作業用のubuntuがあるのだが、まずどちらも普通に認識した。
……と言いたいところだったのだが、最初に繋いだ時はUSBケーブルを直接繋ぐ左側しか認識されず、右側はLEDはつくものの反応がなかった。windowsとubuntuでそれぞれ試したり、普段使っているKVMスイッチを介さずに繋いでみたり、色々やっていたのだが無理でうわー初期不良?故障?……と思っていたところ、左右を繋ぐケーブルを逆に繋いだら動いた。これは何かがおかしい気がする。このケーブルって方向とかあるか? それまでも何度か挿しなおしてはいたのだが、毎回差し込みが甘かったのだろうか。でもLED点いてたんだけど……。
まあいいや。向きを変えた後はどちらも特別何もしなくても動いた。
とりあえずテントさせて手を置いてみた。思っていた以上に端のキーが遠い。というか親指の島のキーも遠い。私は身長が高い方に1.5σ程度の位置にいる(日本人成人男性)ので手もそこそこ大きいはずなのだが、指をホームポジションに、手首をリストレストに置いたままだと親指島の一番内側のキーは相当無理して親指を伸ばさないと押せない。赤いキーも手首を浮かさないと届かないので高速に押すのは難しそうだ。手首を浮かせていればどちらのキーもそこまで大変ではないが、シンプルに疲れる。数字キーはまあ打てるものの、四隅のキーは届きにくい。
ただ、テントせずに平置きした場合、指をホームポジションに置いても親指が島の中央あたりに来る。こうなると端のキーも押しやすい。とはいえテントしている方が姿勢は楽な気はするので微妙なところだ……。
それから、moonlanderはデフォルトで虹色に光る。私は光っているのは嫌いじゃないが、光が動いていると注意を持っていかれてしまって困る。なので、アニメーションを切って単色に統一し、レイヤーごとに色を変えることで今いるレイヤーがすぐにわかるようにした。 とはいえキーのholdでレイヤーを変えるようにすると色での判断は必要なくなったので、全部同色でもいいかもしれない。ちなみにPCのファンも光っているが、同じ理由で色は固定している。
レイアウト最適化
しばらくは練習しつつキー配置の最適化を図った。
一番考えないといけないのは親指島だろう。最初は上の赤いキーにレイヤー切り替え、下の三連に左からspace, ctrl, 英数、かな、shift、Enterと置いていたのだが、赤いキーによるレイヤー切り替えが高速にできなかったのでレイヤー切り替えは早々に変更した。 spaceを長押しで記号数字レイヤーに切り替わり、Enter長押しで矢印移動レイヤーに切り替わるようにしたのだが、レイヤー分けを複雑にするとかなり混乱したので単純化した。 移動レイヤーからはマウス操作を取り除いてvim風のhjklでのカーソル操作に絞り、hjklに使わない左手側のホームであるF長押しで移行するようにした。
そして親指島の一番内側のキーは打つのがあまりにも難しかったので、思い切ってそこは削った。英数・かなは削除し、代わりに全角半角を左の二番目に置いてある。ctrlは結局端に置いた(これだけ不満。脳内を読んでレイヤー切り替えとCtrlを切り替えてほしい)。
次に考えるべきは記号だ。私は小さい頃にJIS配列に慣れてしまったので、今に至るまでずっとJIS配列を使っている。なので最初はJIS配列のこまごまとしたキーを右端に置いて溢れる分を調節していた。 ただ、最初に言った通りこのキーボードだと端の列の上下端を触るのがかなり難しかったので、徐々に使うキーを絞りながら日本語文章を打つ際に必要なキーを選別していった。 プログラミングをしている間はかなり大量の記号を打つので選別の過程ではあまり気にしないことにした。
そうすると、逆に記号レイヤーへの切り替えが必要かどうかで混乱するようになってしまったので、二枚目のレイヤーにほとんどの記号を押し込んで、「記号はとにかく別レイヤー」という風に頭に刷り込んだ。その方が結局楽だった。 今もメインレイヤーに記号が少し残っているが、あまり使っていない。
最初の1,2日は一日二回レイアウトを調整していたが、次第にレイアウト変更の間隔が伸びていき、今は三日変えていない。そろそろ状態が変わらなくなってきた。とりあえずの局所最適には来た感じがする。
ヒートマップを見る限りほぼ押していないキーもあるが(端のshiftや右端のEnterは本当に一回も使ってないっぽい)、たまに暴発しても致命的ではないし、消すまでもないだろう。しばらくはこれで行く。
ハマりポイント
windowsマシンを入手した際に、最初にレジストリを弄ってまずCtrlとCapsLockを入れ替えたのだが、そのせいでleft ctrlが機能しなくなっていてしばらく困っていた。 キーボード的にはLeft Ctrlを送っていたのだが、OSによってcapslockに変換されていたようだ。この設定のことを完全に忘れていたので、しばらくキーボードの設定が悪いと思って試行錯誤していた。 今は面倒になって全てをright ctrlにしている。
それから、moonlanderで日本語配列にするためにQMKのJIS配列設定を見て何がどう扱われているかを調べていた。OSがキーボードをJISだと思っていればShiftで入力される文字なんかは変わらないので、USにないキーを探すだけで事足りたのは楽だった。
細かくはレイアウトを見てもらえばいいのだが、わかりにくかったものをいくつか。
- 「\ _」は「Int 1」
- internationalのこと。
- 「] }」は「Non-US # and ~」
- 「¥|」は「Int 3」
ところで最近設定を見ていたらAdvanced Configurationに"International"という項目があって、JPというのがあることに気付いた。もしかしてこんな変な設定必要ないのか?
感想
キーマッピングを最適化している途中で自分のタイピングの癖が見えてきたのが面白かった。
私はタイピングの練習というか教本みたいなものを真面目に読んだことがない。ホームポジションという言葉を知らないまま、ポッチが付いているキーを目安にすると便利だなあと自分で発見していたし、標準運指をかなりガン無視している。これは、勉強するよりも前にパソコンで長文を書いたりチャットで発言権を得るために高速で反応したりを繰り返しているうちに染みついてしまった動きで、矯正の機会がなかったのだ。
例えば、私は日本語でも使う子音であるYとHを、7割程度左手の中指と人差し指で押している。これは右手が母音を押しがちなので左右左右と打てるように勝手になったのだろう。 これに関しては最初から分割キーボードを使うにあたって心配だったのだが、moonlanderでは何ら問題になっていない。分割面に追加のキーがあるからだ。私のマッピングにはYとHが左手用と右手用で二つある。
あとは、指しか覚えていないショートカットがたくさんあって、Realforceで指に動いてもらってからそれを再現していた。最初は「うーんこのキーはあんまり押さないから左遷するかー」と思っていたキーがかなり押されていたりして笑った。
ところで、未だにZXCVを押し間違えるというか、CとVの間やXとCの間を押してしまったりして厳しい。ただここは結構みんなそうっぽいので仕方ないのかな。
普通のキーボードが使えなくなるのではという不安はない。今は仕事場でRealforce、家でMoonlanderを使っているが、Moonlanderでの精度と速度が向上している一方で、Realforceでの速度は一切落ちていない。脳みそが手を置いている場所や角度ごとにマクロを構築している感じがする。多分このまま二刀流にできると思う。
プログラミングをまじめに勉強し始めたのがB3の頃、Realforceを買いに行ったのがM1の頃、toml11のv1リリースがM2の頃なので、私のプログラミング生活はほぼRealforceに支えられていたと言っていい。そんなRealforceを完全に手放す気にはあまりなれないので、二刀流にできそうなのはいい傾向だ。
- キーキャップの形状のこと。段によってキーの傾きが違ったりする。↩