C++

エラー時はメッセージを返すが、成功しても返すものがない関数

C++

今、Cライブラリをラップしているのだが、副作用を起こす関数の戻り値をどうするか考えている。 前提:全体のエラーハンドリング 前提として、エラーハンドリングにはここまで例外送出でなくboost::optionalとexpectedを用いている。 基本的に、value_or()で…

数値積分のインターフェース

C++

子細合ってヤバい形の積分を解く羽目になったので数値積分をすることにした。 別に数値積分の複雑なアルゴリズムの解説や異常なまでの最適化などを紹介するわけではなく、非常に基本的な台形積分を使い、そこまで最適化も考えずにやる。 だがそれだけだと何…

std::hash<integral_type>

C++

ふと、std::hash<std::size_t>の実装がどうなっているか気になった。 ハッシュ関数は、何かの型の値を整数型に変換する。特にstd::hashはsize_tに変換する関数である。同じ値に対しては同じハッシュ値を返し、別の値同士が同じハッシュ値を取らないようにする。一般にはハ</std::size_t>…

boost::enable_ifの居所について

C++

C++11のstd::enable_ifが使えない環境だと、boost::enable_ifなしにはテンプレート関数をガンガン使っていくのは厳しい。しかし、boost::enable_ifは途中で定義されている場所が変わっている。 boost 1.65.1のドキュメントを見てみよう。 Boost Utility Libr…

謎の演算子

C++

よく知られたネタだと思うが、while文中でカウントダウンするための演算子がある。 int N = 10; while(N --> 0) { std::cout << N << ' '; } 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 逆方向もあるが、カウントダウン演算子にもインクリメント・デクリメントの前置・後置と同様…

現代のC++

C++17での機能追加について、ネット上では「項目一覧見ただけで読む気失せる」「入門不可能」「闇」「誰も使いこなせない」「絶対に使いたくない」などと盛り上がっている。 だが私は一概にはC++はどんどん初心者を見捨てているとは言えないと思っている。C+…

バイナリファイルの取り扱い

C++

データの保存のために、バイナリフォーマットは広く使われている。なのでそれを読まなければならないケースが多い。 C++におけるバイナリの読み方の一番の基本はstreamの関数std::basic_istream::read(char_type*, streamsize)だろう。 この関数は第二引数で…

暗黙の型変換の落とし穴

C++

こんなツイートを見た。 #Thursdaysurvey on this code:> variant<string, int, bool> v = "Hello!"; </string,>

emptyとsize==0

C++

コンテナが空(要素を持っていない)かどうかを確認するとき、タイトルの2つのメソッドのどちらを使うかという話題で界隈が盛り上がっていたようだ。 私はempty()一択だ。サイズが0かどうかを確認したいなら、size() == 0を使うべきだ。だが、コンテナが空で…

大掴みBoost.PolyCollection

C++

この間、Boost 1.65がリリースされた。リリースノートをざっと見た所、新規ライブラリがいくつか入っている。そのPolyCollectionなるものが気になったのでざっと見てみることにした。これはその覚え書きである。 PolyCollectionは、多相型向けのコンテナだ。…

座標ベクトルと汎化について

私の書くプログラムでは、趣味でも仕事でも、低次元(大抵は2か3次元)でのベクトルを扱うことが多い。そうなると普通は座標ベクトルを意味する構造体を作って管理するだろう。

FizzBuzz

C++

会話をしていると、FizzBuzzの話になった。何かの拍子にFizzBuzzを書いてくださいと言われたらどうするだろうか、と思ってちょっと書いてみることにした。たまには気楽に書けるものもよい。 FizzBuzzを自然に捉えると、数字を文字列に変換していくルールに従…

関数型言語としてのC++ Template MetaProgramming入門

C++

C++ではtemplateを使ってコンパイル時に計算を行うことができる。 今回は、関数型言語としての視点からC++テンプレートメタプログラミング(C++-TMP)の簡単な紹介をやってみたい。 注:私はHaskellとlispの経験がホンの少しだけあるが、どちらも使いこなせる…

何らかのフォーマットのファイルを読み書きするライブラリについて

C++

Coffee-millなるライブラリを(凄く昔に)書いている。これは主に分子動力学計算の結果を読み書き・解析するためのものなのだが、解析用の部分は別に開発しているのでまあほぼ読み書きのために使っている。今やっていることが落ち着いたらもう少しメンテした…

Rustを触っている

先週Rustを触っていた。まだ手に馴染んでいないので少し不自由さを感じるが、慣れるまでの辛抱だろう。実際は去年くらいに一度インストールしてチュートリアル程度は済ませていたのだが、説明を見て言われた通りのコードを書く以上のことはしていなかった。…

C++98でもvariantを(バリバリ)使いたい! その2

C++

前回こういう記事が発生した。 c++98でもvariantを(バリバリ)使いたい! その1 - in neuro このときは単に2つの関数をくっつけて即席visitorを作れるようにして終わったものの、variantは普通2つ以上詰め込むことが多いので、N個版をゴリゴリ展開していく…

c++98でもvariantを(バリバリ)使いたい! その1

C++

私はC++98を使っているプロジェクトに参加している。タイトルを見て「2017年にもなってC++98だとォ〜〜」というような感想を抱くかもしれないが、ライブラリとしてC++98をサポートしたいとか、C++98時代から作っているプログラムでメジャーバージョンアップ…

tomlのパーサを作った

C++

こいついつもTOMLのパーサ書いてんな C++で使えるheader-onlyなTOMLのパーサを書いた。実はこれは2度目である。何故またそんなことをしたか。順に説明していこう。 最初に書こうと思った一番の理由は、「パーサを書いたことがなかったのでいい経験になると思…

erratum: 前回の記事に関して

C++

前回の記事を書いた2日後くらいに、よく考えると先のコードはまずいのではという気もちになった。今日まで放置していたのは、まず自分が書いていたコードを直すことと、書かなければならない書類をこなすことに集中していたからだ。書類は数日前に草稿を共著…

制限解除union

C++

しばらくブログを書いていなかったが、実際のところペーパーワークに駆られて(現在進行形で駆られている)コードをほぼ書けていない。そのストレスで日曜日に何の関係もないコードをゴリゴリ書いていた。そこでタイトルにあるものを使って、ボンミスで時間…

typedef typename trait::template something<T>::type type;

C++

あるstructのメンバであるtemplate structをtemplate argumentとして受け取ってその中身をtypedefする、というときの書き方が(もう少し普通な状況でも出てくると思うが調べていない)、この18行目の文法がキモい2017だったので置いておく。 [Wandbox]三へ( …

vtkで分子を描画

C++

vtk7.0.0が出たという記事を見た時、といってももう1年も前なのだと今気付いたが、分子のためのクラスがあることを知った。で、以前vtkで分子を表示するために複数個の球体を浮かべようと悪戦苦闘した記憶が思い起こされ、こういうものがあるなら使ってみた…

スコープ内の時間計測

C++

以前、関数の時間計測のために返り値をラップする構造体を作っていたが、これはRAII的に考えて Logger logger; /*... codes ...*/ { stop_watch<std::chrono::milliseconds> sw("block-name", logger); /* do_something */ } とスコープの先頭で宣言すればスコープ内でかかった時間のロ</std::chrono::milliseconds>…

関数の時間計測

C++

C++のthreadライブラリを使っている。いかんせん並列化の経験が少ないのでちゃんとthreadが立ち上がっているのかとか、並列に処理されているのかとかがよくわからないし、ツールもよく知らない。VTuneのことは知っているが個人で持っているようなものでもな…

コンテナ内の一括計算

C++

を、たまにコードを見たりしている後輩が自分のためのコードの中でよくやっている。要するにこういうことだ。 std::vector<double> v1; std::vector<double> v2; // do something... assert(v1.size() == v2.size()); std::vector<double> v3(v1.size()); for(std::size_t i=0; i</double></double></double>

variadic templateで遊ぶ

C++

この記事は、C++ Advent Calendar 2016の5日目の記事です。 まえがき C++11以降、C++では可変長テンプレートなるものが使えるようになった。要するに0個以上の任意個の型引数を取れるテンプレートである。std::tupleなどでお馴染みだろう。 この記事では、可…

C++11とC++98 & boostの切り替え

C++

現在、21世紀なので普段はC++11を基本的に使っているのだが、たまにC++98でないといけないケースは存在する。共用のサーバにC++11対応コンパイラが入っていない、などだ(なぜ入っていないかは謎である)。かといって石は何の変哲もないXeonだったりするので非…

問題2

C++

この前の問題2が少し気になっていた。 交互に要素を取ることで、2つのリストを結合する関数を記述せよ。例えば [a, b, c]と[1, 2, 3]という2つのリストを与えると、関数は [a, 1, b, 2, c, 3]を返す。 というやつである。 というわけで、std::array<char, 3>とstd::ar</char,>…

variadic template で reverse

C++

今日、ふと思ってこのようなものを実装できないか考えてみた。 template<template<typename ... T> class target, typename ... T_args> struct reverse { typedef target</* reversed T_args... */> type; }; 例えば、 typename reverse<std::tuple, int, double, std::string>::type t = std::make_tuple("foo", 3.14, 42); みたいなことができてほし</std::tuple,>…

ソフトウェアエンジニアなら1時間以内に解けなければいけない5つの問題 in C++

C++

何気なく調べ物をしていると、全然関係なかったのだが「ソフトウェアエンジニアなら1時間以内に解けなければいけない5つの問題」なる記事が目に入った。流行ったのは去年の夏前頃のようだが、遅ればせながら参戦してみた。一番よく使っている言語、C++で。結…